TOP>がんの進行と標準治療

早期発見、早期治療であっても、再発・遠隔転移に対し、標準治療はお手上げです。
一口にがんと言っても様々であり、発生部位に留まる「限局性」のものは、胃がんの場合で5年生存率95%、活発に転移し全身に拡散する「遠隔転移性向」が強いものは、同じ胃がんの場合で、5年生存率3%です。局所性のがんで亡くなる方はわずかであり、全身性のがんでは、殆どの方が亡くなるのが実態です。

標準治療の代表格、外科手術は局所療法です。放射線や重粒子・陽子線療法も局所療法です。患者さんの生命にとって真に危険な全身性のがんに対して、局所療法では治癒を望めません。抗がん剤は全身療法ですが、一部の白血病を除いて、がんを全滅させることができません。抗がん剤の中でも副作用の激しい化学療法剤は、がん細胞と正常細胞を区別せず、分裂中(増殖中)の細胞の遺伝子に無差別に傷をつけます。ところが、がん細胞よりも早く増殖する正常細胞が多く存在し、先にやられてしまいます。(白血病の場合、がん細胞の増殖が極めて早く、正常細胞より先に全滅することがあります)また、通常、がん細胞は全滅する前に薬剤耐性を獲得すること、がん細胞の「親玉」であり、再発や転移の核となる「がん幹細胞」は化学療法(及び放射線療法)では容易に死なないこと等、化学療法は原理的に、がんを根治できません。その上、がんにとっては目の上の瘤である免疫システムに打撃を与え、また、内臓機能を低下させるため、限界まで投与を続けると、生命維持さえ困難な状態に陥り死に至ります。

標準治療は、大きな腫瘍の塊を除去する、大量増殖中のがん細胞の総数をざっくり減らすことは得意です。ところが、全身に散る危険ながん細胞を根絶することが苦手です。

標準治療に限らず、免疫細胞療法においても同様なのですが、「がんの治癒」の定義が存在しません。医学的には、「がんが治りました」と言えないのです。がんの確定診断は病理検査であり、診断のためには、患者体内から取り出した腫瘍組織が必要です。それ以外の画像診断や腫瘍マーカーは、参考でしかなく、実際、確実な検査方法ではありません。がん治療後の診断においては、完全寛解という分かり難い言葉が使われますが、これはあくまで、「今の技術では、がん細胞が見つからなくなりました」という意味でしかありません。がん細胞がいなくなったことを証明するものではありません。

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