TOP免疫療法の整理

がん免疫療法、あるいはがん免疫治療と言う言葉は、キノコを食べる話から本格的ながん免疫細胞療法まで様々なものに使われています。免疫細胞を体の外で培養し体内に戻す免疫細胞療法、医薬品として投与されるもの、民間療法をはじめ、医療以外のものを指すこともあります。どのようなものがあるのか整理してみます。

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19世紀の終わり、Coley 氏が、がん患者を溶血性連鎖球菌(溶連菌)に強制感染させるという、かなり乱暴ながん治療を試みました。今日でも「コーリーの毒」という名前で知られており、免疫学においては「ウィリアム・B・コーリー賞」というものが存在します。
「免疫を強く刺激すれば、がんを叩ける」がん治療の重要な方向性を示しました。

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がん免疫細胞療法には明確なエビデンス=臨床上の有効性の証明(実際に患者さんを治療して確認された効果証明)が存在します。これらを総合して免疫細胞療法が効果を発揮する条件が明確にされています。
1. 体外での培養によって、がん細胞を傷害する十分な活性をもつキラー細胞を十分な数だけ揃えること
2. 体内の免疫抑制を緩和する措置を行うこと

免役細胞療法のエビデンスについて詳細をみる >

がん治療においては、がん細胞を傷害する能力が圧倒的に高いNK細胞を用いるのが基本です。他の免疫細胞の大半はがん細胞を傷害できません。若干、がん細胞を傷害するものもいますが傷害能力が弱くNK細胞の比ではありません。なお、NK細胞の活性が高くても投入する細胞数が少ないと発熱などの免疫反応は見られません。
活性の高いNK細胞を大量に投与して初めて治療として成立します。
ANK療法が選ばれる理由がここにあります。

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漠然と「免疫」といっても、がん細胞を攻撃する免疫細胞はごく一部です。免疫細胞の種類によって主な役割が異なっており、ほとんどの免疫細胞はがん細胞を傷害する能力をもっていません。感染症と闘うものなどが多くを占めています。免疫細胞療法の違いを整理する際、どの免疫細胞を用いるのかが重要です。

がんを殺傷する免役細胞について詳細をみる >

活性を高めたNK細胞は、がん細胞を攻撃する力が強いがゆえに自爆しやすくなります。そのため、非常に繊細な培養技術が要求されます。
血液から採取すると常に一緒にT細胞が存在します。NK細胞は増殖スピードが遅いため、一般的な培養条件ではT細胞が爆発的に増殖し、培養器内はほとんどT細胞になってしまいます。

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米国国立衛生研究所NIHが実施したLAK療法、ANK療法、その他国内で実施されている一般的な培養法に関するイメージをまとめました。
ANK療法では、米国法より一桁少ない血液(5~8リットル)を体外循環させ、数億個レベルのNK細胞を集めます。この時点で、数十mlの血液から培養する一般的な免疫細胞療法とは圧倒的な細胞数の違いがあります。ANK療法は、米国法よりNK細胞の活性でも細胞数でも上回るように設計されています。

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CTLは獲得免疫系の免疫細胞療法の中ではがん細胞を傷害する代表格です。実際にがん細胞を攻撃することを確認したものをCTLと呼びます。CTL療法には適切な標的入手が必要です。
一方、体内に必ず標的と同じ性質のがん細胞が存在する保証はありません。その場合、空振りとなってしまいます。

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樹状細胞は細菌やウイルスの異常増殖を認識すると細菌やウイルス感染細胞を攻撃する他の免疫細胞に出動を促すことが知られています。そこで樹状細胞ががん細胞を傷害するCTLを誘導しないのか盛んに研究されてきましたが、これまでのところ実際にがん細胞を傷害するCTLの誘導は確認できません。
がん細胞と樹状細胞を一緒に培養し、その樹状細胞をT細胞と一緒に培養しても、がん細胞を傷害するCTLは増えてきません。がん細胞をすり潰してみても同じことです。

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がんワクチンというのは、永年研究されてきましたが実用化されていません。
がんワクチンは、確認された事実を積み上げたものではなく「もし、こういうことができれば、がん治療になるかもしれない」という仮定に基づき試行錯誤されてきたもので、今のところまだ実態がありません。

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CAR-T療法は遺伝子改変を伴うT細胞を用いた免疫細胞療法です。
患者さん本人のリンパ球を採りだし、その中のT細胞に複数の遺伝子を同時に導入します。
遺伝子を改造されたT細胞を培養により増殖させてから患者さんの体内に点滴で戻します。
CAR-T療法で今のところ有効性を確認できるのは、標的がCD19を発現するものに限られます。

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