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Kenjiro Nagai MD PhD and Sho Nagai MD PhD CMJ Review Article Vol. 5 Issue S5

Effectiveness of Amplified Natural Killer (ANK) Therapy for Adult T-cell Leukemia/Lymphoma (ATL) and Future Prospects of ANK Therapy.

PMCID:PMC8986168(6/1よりPubMedにて閲覧可能)

Amplified Natural Killer(ANK)療法は、1980年代にアメリカで行われたLymphokine Activated Killer(LAK)療法の安全性と有効性を高めるために改良された免疫細胞療法です。LAK療法は1990年代に日本でも行いましたが大量の血液を採取することができず、アメリカで行われたものよりもNK細胞やリンパ球が少なかったため、効果に乏しくまた副作用が多く出現しました。そのため日本ではこのタイプの免疫療法へのネガティブなイメージがついてしまい広まらなかった経緯があります。

リンパ球バンク株式会社が培養技術を持つANK免疫細胞療法は以前行われていたLAK療法のよい点と欠点を見抜き改良を加えており、今までの免疫療法とは一線を画した治療にしています。患者自身の血液が血液成分分離装置を2周するほどの量からナチュラルキラー(NK)細胞を多量に集め、実際に効果のある活性化したNK細胞のみを増幅し患者の体内に戻すことで効果的な治療と安全性を担保しています。ANK免疫細胞療法は、一般的にすべての悪性新生物(がん)に対して有効です。

今回紹介した2例と他の治療例から、現時点の症例検討でもANK免疫細胞療法はATLに対して非常に安全で、かつ有効であることを示しています。さらにATLの第一選択治療は化学療法ではなく、ANK免疫細胞療法になる可能性が高いという研究結果が出ています。

case2の報告でわかる通り、大まかにいえば免疫が低下して起こすような疾患(慢性感染、重症肺炎)に対して免疫力を増強する効果のあるANK免疫細胞療法ががん以外でも効果がでる可能性を示唆しています。
活性の低いNK細胞は、細菌感染への機会増大を意味します。従って、活性化されたNK細胞を大量に使用するANK免疫細胞療法は、ATLやがんだけでなく慢性的な細菌やウイルスの感染症患者にも有効となり得ます。

(医療法人えびのセントロクリニック 副院長 医学博士 長井賢次郎 先生)

Nagai K, Nagai S, Hara Y. BMJ Case Rep 2021;14:e244619. doi:10.1136/bcr-2021-24461

Successful treatment of smouldering Human T cell Leukemia Virus Type1 associated bronchiolitis and alveolar abnormalities with amplified natural killer therapy

ANK療法は、先ず、患者さんの血液からリンパ球を分離採取し、抗がん作用を高めるための培養を行います。
次に、がん細胞を傷害する能力を高め、数を増やしたナチュラルキラー(NK)細胞を体内に点滴する事で治療が始まります。
今回、私たちがANK療法を実施したのは、成人T細胞白血病くすぶり型と診断され、 ウイルス(HTLV-1)による気管支肺胞障害(HABA)がある81歳の女性患者にANK療法を行いました。
治療内容は、培養後のNK細胞を点滴にて週2回、合計8回実施しました。
その後、CTスキャンにて両側の びまん性粒状陰影の改善と全体の呼吸機能、そして患者の自覚症状が顕著に改善を認めました。また、ANK治療は通院にて実施しましたが、重篤な副作用は認めませんでした。
ANK療法は、高齢で化学療法が施行できない患者でも安全に治療でき効果も期待できる治療です。また、HABAの新たな治療法の一つになり得ます。
(医療法人えびのセントロクリニック 副院長 医学博士 長井賢次郎 先生)

Teshigawara K, Nagai S, Bai G, Okubo Y, Chagan-Yasutan H, Hattori T. MDPI Reports 1(2):13, 2018. doi:10.3390/reports1020013

Successful Amplified-Natural-Killer Cell (ANK) Therapy Administered to a Patient with Smoldering Adult T-Cell Leukemia in Acute Crisis

標準治療が確立していない難治性の成人T細胞白血病(ATL)の患者で「くすぶり型」と診断されていた状態から急性転化した時期にANK免疫細胞療法を実施し急増していた腫瘍マーカー(sIL-2R)が下がって安定し、皮膚症状なども消え、ATLではない疾病でご逝去されるまで5年以上生存。他に4名の長期生存例あり。

わかりやすい説明として、新聞社の取材記事をご覧ください。
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