TOP>分子標的薬とANK免疫細胞療法の併用

世界のがん治療は、根源的な変革期に入っています。
画像診断や外科医の目に見える大きな病巣を叩くことに捉われ過ぎ、免疫や基礎的な生命力も一緒に削いでしまう従来型の標準治療から、「がんを叩く」、「がんを抑える免疫を活かす」、「基礎的な生命力を傷つけない」三つを同時に考える方向へのシフトが始まっています。

がん細胞と正常細胞を見境なく攻撃する化学療法剤は、日本を除けば過去のものとなりつつあり、
今、世界で抗がん剤といえば、分子標的薬です。
がん細胞も正常細胞も殺さず、増殖を抑えるだけ。
完全な脇役に徹しています。
がんを攻撃するのは、がん細胞と正常細胞を見極めることができる免疫の役割です。

ANK療法との同時併用で相乗効果が期待できるのは、何といっても分子標的薬です。
分子標的薬は強力なパートナーとなりますが、残念ながら、すべての患者さんが使えるわけではありません。使用可能かどうか、事前に検査が必要です。分子標的薬は単独使用や化学療法剤との併用では、僅かなスーパーレスポンダー(劇的に反応し、高い効果がでる患者さん)を例外として、それ程、効果を発揮しません。ですがANK療法と組み合わせれば、分子標的薬が一時的にがん細胞の増殖を抑えている間に、NK細胞が、一つずつ、がん細胞を潰してまわり、しかも分子標的薬の種類によっては、NK細胞の能力を何倍も高める効果があります。

がん細胞特有の物質を標的として抗がん剤や、がんワクチンを開発しようとする試みは、過去、尽く失敗に終わりました。日本の一部の研究者は、今もがん細胞に特異的な物質を追いかけていますが、世界の医薬品メーカー欧米のバイオベンチャーが狙うのは、がん細胞にも正常細胞にも共通に存在する物質です。存在するかしないかではなく、存在する量の違いを狙うのです。増殖の早い危険ながん細胞は、一般に細胞増殖に関係する物質を大量に発現しています。この増殖関連物質を標的とし、増殖信号の伝達の邪魔をする物質を抗がん剤として開発しているのです。がん細胞と正常細胞を正確に見分ける薬はいくら探しても見つかりません。そこで、考え出されたのが、増殖の早いがん細胞に特に多くみつかる物質を標的として、その機能を妨害するタイプの薬です。