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2018年12月20日

  

免疫

10年前に「うがい」、「手洗い」、「マスク」を励行することは、インフルエンザ対策として根拠はなく、これらは日本特有の「風習」の一種で、世界的にインフルエンザ対策にこのような行為を奨励するのは珍しい、と書いたら、ずいぶんとまあ、何を言うか、と批判がきたものです。 後に厚労省も我が国固有の風習であり、今後は特に推奨しないとなりました。

 

やってはいけない、とも言わなかったのですが。 手は清潔にすればいいじゃないですか、それとウイルス感染は関係ないということです。 のどがイガイガすればうがいすればいいし。 湿度保持のために私も時折マスクしています。 くしゃみする人はマスクしないと迷惑ですよね。 ですからやってはいけないとは言ってないのですが、インフルエンザウイルスをそんなもので防げるなど迷信の類ですよ、ということです。

 

あれから10年たちましたが、まだ99Nマスクを大量に売っています。一番役に立つガーゼのマスクが見当たらなくなってしまいました。 ガーゼに水を含ませるのが一番、のどの湿度を維持できます。 99Nは呼気の大半がマスクを回避して隙間から入るのでわざわざ99Nにする意味はありません。本当に99Nのフィルターを通すと訓練を受けていない人はまともに呼吸できません。 自然に息が入ってくるということは、呼気はフィルターを通っていない、ということです。

 

さて、不活化型で皮下注射するタイプのインフルエンザワクチンを学童に強制摂取してきたのは日本くらいでしょう。47年? 49年かな、、、 長いことやり続け、世界中から不思議の国と言われていました。こちらは海外の医療から仕事を始めたので日本が異常にみえました。 言葉を和らげるために集団接種と呼び方を変え、それでも集団なんとかみたいだから、と定期接種とさらに言葉をマイルドにしましたが、要するに該当者はみんなうつんだ、という「強制接種」なのか、該当者の中でうちたい人は自己責任でうちましょうという「任意接種」なのかどちらかなのです。  どちらも自由診療ですが、強制接種の場合は補助金がでますし、子宮頸がんワクチンの場合は、任意接種なのに補助金がでた、など、いくつかバリエーションがあります。  

 

インフルエンザワクチンも永年、批判にさらされながら、半世紀にもわたって強制接種され続け、やっと任意接種になり、さらに感染予防効果は認められないことを厚労省も認め、「重症化防止を目的とする」に至りました。 しばらくはマスメディアも感染予防効果はないことを記事に書くようになっていましたが、最近はまたぞろ、ウイルスの流行の型とワクチンの型が合わないと流行を抑えられないような記述をみかけるようになっています。

 

 

型は関係ないのです。 ウイルスの感染装置を破壊した不活化ワクチンを皮下注射しても感染予防効果は認められません。 のどの粘膜に塗布すれば効くのですが、これがさっぱり承認されません。

そもそも生ワクチン以外のワクチンは、なかなか感染予防効果はでないのです。まさかインフルエンザの生ワクチンは使えません。ワクチンそのもの一発で感染しますから。  

 

ワクチンは、まず生ワクチンが使えるのかどうか。 ここが要です。 使えないとなると、どうしても予防効果の方はあてにできなくなる、これは避けられないのです。 生ワクチンというのは、感染力をもつウイルスでありながら、毒性を弱めているものですので、接種後に強毒性に戻るリスクがあれば、危なくて使えません。 そこでやむなく、効果を犠牲にしてでも、感染力を叩いた不活化などの変性ウイルス等を用いるワクチンの検討となります。  

 

インフルエンザワクチンの不活化タイプを皮下注射すると、血液中から外にはあまりでないIgGというタイプの中和抗体が誘導されます。中和抗体はウイルスにくっつくだけで、破壊しません。 しかもインフルエンザウイルスは気道粘膜上皮細胞内で感染が完結し、粘膜に接触した瞬間に感染しますので血中中和抗体とまったく接触もしないのです。 理屈からいっても感染予防効果は最初から期待できないのです。 厚労省に実際に問い合わせると、「重症化防止を目的としています」と答えられてましたね。 ウイルスが血液に入り、更に脊髄、そして脳に達すると命にかかわります。 血液中中和抗体なら、血液に侵入したウイルスと接触するのでは、ということですが、実際に重症化防止効果は確認できません。 なので「目的としています」なのです。 

 

今までにも書いた内容なので恐縮ですが、またぞろインフルエンザワクチンに感染予防効果があるような報道が目につきますので、忘れたらだめでしょうという意味で再度、書かせていただきました。 念のために申し上げますが、重症化防止効果がないと証明されたわけではありません。 重症化防止効果が証明されていないと申し上げただけです。 ですから、効くのかもしれない、でも証明はされていない、ということです。  (老人が沢山いらっしゃる施設でワクチンを接種した人と接種しなかった人を比べると、前者の方が重症化率が低かったとする報告はあるのですが、当然ながら接種しなかった人は何か疾病を抱えておられた、とか体調がすぐれなかったという背景をおもちだった可能性があり、重症化リスクが高い人ほど接種しなかったグループに入る可能性が高くなります。 統計にはこうしたバイアスと呼ばれる歪みが入りますので結果を額面通りに読む訳にはいきません。)

 

ところでANK療法にインフルエンザ予防効果はあるのか。

 

ANK治療中は、なかなかインフルエンザには感染しないようです。また、以前は、ANK療法を受けられる際に、最初は入院というパターンも多かったのですが(今は、入院は不要となっています)、たまたまがん患者さんも何人か入院中に院内でインフルエンザが流行したことがありました。これはどうしようもないのです。 ほとんどの人が感染したのになぜか末期も含めた進行がん患者さんだけが元気だと不思議がられ、その方々はANK療法を受けていたということがありました。  ただ、ワクチンを接種して40°Cの発熱があったら「事件」ですから。 まさかインフルエンザ予防目的でANK療法など検討すらできません。 進行がんというのは標準治療だけでは、残念ながら、多くの場合、助からないわけです。なので、発熱があることは大原則として、容認され、自由診療で実施することも認められているのです。「認められている」のですよ、保険適応になっていませんので、「承認」とは違います。 誤解ないようにお願いします。  心筋梗塞の治療は保険診療で素早くやれば救命可能ですから、自由診療で心筋梗塞の治療というのはやらないわけです。(どこかでやっていたらすみません、ま、一般にはやらないはずです)

インフルエンザの場合、数日寝ていれば通常はよくなります。なので、感染予防目的となると副作用に対する見方はきびしくなります。 それでも亡くなられる方がいらっしゃるので、高齢者で体力がおちている方に重症防止目的で接種すれば、という議論があるわけです。 一方、高齢者で体力がおちているとワクチンの副作用もでやすくなります。

 

 

 

 

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