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2019年03月27日

  

がん, 免疫

日本国内での免疫細胞療法承認第一号としてCAR-T療法CTL019が製造販売承認を取得しました。 今後、中医協が薬価を決定し、保険収載になれば添付文書を用いた広告活動と保険適応が認められます。 現時点でも自由診療として販売することは可能ですが、通常、保険収載されるまでは販売は始まりません。

 

まずは朗報です。

 

日本でも法整備が進み、免疫細胞療法の承認申請が可能になっていたわけですが、一例も実績がないのと一例実績がでた、というのは大違いです。 ANK療法も承認申請を目指して準備を進めていますが、ようやく免疫細胞療法が保険診療に組み込まれる時代が始まった意義は大きいです。

 

とはいえ、多くのがん患者さんが健康保険を使って免疫細胞療法をすぐに受けられるようになったわけではありません。 CAR-T療法は、CD19を発現している細胞を標的にするものであり、CD19を発現するB細胞ががん化した場合以外は効果は期待できません。 また正常なB細胞も攻撃しますので、体内から抗体をつくる細胞が減ってしまうなど、いくつも副作用が発生します。 単純な標的物質を手掛かりにする限り、がん細胞を狙い撃つことはできません。 CAR-T療法が使えるのは現時点ではかなりの条件があり、おそらく日本では数百人程度と考えられています。 米国では先行して適応拡大が進んでおり、また今後、副作用対策の工夫が進むとより多くのCD19を発現するタイプのがん、つまりB細胞型のリンパ球性のがんには適応が広がっていくものと考えられます。 一方、固形がんは今のところ難しいようです。

 

ANK療法の場合はがんの部位は問いませんが、承認申請をかける場合に「すべてのがん」を適応にというのは、まあどこにもやってはダメとは書いていませんが、ほんとにやると審査にあたる人々には「茫然」とされるでしょう。 やってみる価値はあるかもしれませんが、実際問題として全く病状が異なる治療データをごっちゃにしても審査は難しいです。  ということで、現実的には、保険適応になったとしても最初はごく限られた患者さんだけが対象になり、そこから範囲を広げていくということになります。

 

まだまだ先のりは長いのですが、まずは大きな一歩と考えております。

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