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2019年02月13日

  

がん, 免疫

白血病の治療としてANK療法をはじめ、免疫療法はどうなのか、と何度も聞かれるのですが、有名なスポーツ選手の方が白血病という報道の影響なのでしょう。

 

白血病といってもものすごく「様々」であり、一概にどうこうは申し上げられませんが、白血病を治療できる免疫療法は非常に限られ、ANK療法は数少ないもののひとつです。 ただし、白血病という正式な病気はありませんので、白血病というだけではどんな状態なのかも含め、全く様子がわかりません。

 

数多ある白血病の中でも特に重篤で進行が速く標準治療が確立できない、骨髄移植などの治療がないわけではないのですが、ほとんどの患者さんが治療を受けられない大変な白血病であるATLに対するANK療法の著効、長期生存例の論文報告について以下に紹介しておきます。ただし、白血病であっても治療可能な免疫細胞療法がある、ということを例示するということであって、どんな白血病でも治るんですよ、と申し上げているのではありません。  

 

成人T細胞白血病に対する著効例の報告

 

 

私も白血病で首がパンパンに膨らみ、このままでは命にかかわるので塊を削り取る手術をやりますというところまでいき、その後、生き延びましたが、25年間、時々、血が固まらなくなり、鼻血が何週間も断続的に続いたり、ちょっとした怪我なのにいつまでも血が流れ続けるということがありました。 それ以上に原爆二世の従兄弟が白血病で若くして世を去ったことが今の仕事にもつながっています。

 

血液系の細胞ががん化しているもの全体を何となく白血病という言い方をすることがあります。英語でも白血球を意味する「ロイコ」から派生してロイキミアといいます。 とりあえず赤血球以外の血球をなんでもかんでも白血球と分類し、血液中の異常細胞が異常増殖していれば、とりあえず白血病と呼びました。その後、分類が細分化されるにつれて、白血球の中でもリンパ球ががん化したのをリンパ腫(リンフォーマ)、リンパ球以外の白血球ががん化したのを英語ではミエローマ(日本語では白血病というか、ミエローマというか、、)といいますが、更にさらに細かく分類され、あまりに専門的になりますから、一般にはとりあえず白血病と言ってしまいます。 成人T細胞白血病のように正式な名称に白血病がつくもので、しかもリンパ球ががん化しているのにリンパ腫とは言わない、とか中々、名前の付け方というのはその当時にわかっていた範囲でつけてしまうので、後から眺めると、統一感に欠ける命名法になっています。  多発性骨髄腫というのは病名です。 この病気で血液中に異常細胞が沢山増えてくると「白血病化」した、という言い方をします。本来、白血病というのは病気の名前というより、「症状」の名前で、○○という血液のがんが白血病化したという言い方をします。

 

要するに白血病というだけではよくわからないということです。 あまり進行しないもの、ゆっくり進行するものの突然、急激に悪化するもの、いきなり急激に進行するもの、とにかく様々で、治療法も様々です。 一般に急激に進行する危険な状態であればあるほど、増殖中の細胞を傷害する抗がん剤がよく効きます。 中には命が助かる人もいらっしゃります。 進行性の固形がんに抗がん剤治療をしてもほぼ確実に再発しますが、白血病の場合は再発しないこともあります。 白血病の場合は固形がんと異なり、薬で事実上治ったような状態になることがあるわけです。 但し、若い内から抗がん剤や放射線を浴びると、新たながんになるリスクが高くなります。  また、白血病治療の抗がん剤は投与量が多い傾向があります。 「進行性の」固形がんの場合は治癒ではなく、少しでも延命を狙って少ない投与量で引っ張ることを考えますが、白血病の場合は、「本気」で攻撃して、がん細胞の全滅を狙うことがあるからです。 もちろん、その場合は後々、深刻な副作用が残ってしまいます。 他人の骨髄を移植する、あるいは本人の骨髄細胞を一度、体外に避難させておいて強力な抗がん剤投与を行う、あるいは異常の源が骨髄中の白血球の元になる細胞にあるなら骨髄に強力な放射線を照射するということも行うことがあります。 どれも副作用やあとに残るダメージは深刻です。

 

免疫治療となると、リンパ腫の治療に用いられる分子標的薬としてNK細胞の傷害効率を高めるADCC活性を作用メカニズムとするものがありますが、一般にリンパ腫であれば、「リンパ腫」と言うことが多いので、白血病ということはリンパ腫ではないのでしょう。 今、承認審査中の免疫細胞療法CAR-T/CTL019も一部のリンパ球ががん化したものしか効果はありません。 もっとも治療対象はリンパ性の白血病という言い方をします。 どうしてこう、一般の人が混乱するような名前の付け方が続くのでしょうね。 さて、血液のがんに対して不用意に免疫刺激物質を投与してもがん化しているのが免疫細胞ですので、かえって、悪化することもあり、単純に免疫刺激物質を投与するわけにもいきません。 一般の免疫細胞療法も白血病の場合は採取した免疫細胞に、がん化した免疫細胞が混じり、これが培養器の中で急増するので原則、増やしたがん細胞を投与するわけにはいかず、治療不可になっています。

 

ANK療法の場合は、白血病と言われるような症状に対しても治療実績や著効例はありますが、血液中のNK細胞に対して、余りにもがん化した細胞が多過ぎる場合は培養がうまくいきません。 ある程度の戦力比であれば、培養中にANK細胞が、混入がん細胞を全滅させますので、治療をしてもいいわけです。 本来、免疫細胞療法は、がん細胞を殺さないと意味がないはずですが、実際に培養中に「まず培養器の中の」がん細胞を全滅させ、更に患者さんに投与して著効まででているのは他に見当たりません。しかも治療すればするほど後々に悪い影響や、新たながんが発生するリスクを高める放射線や抗がん剤と違って、正常細胞の遺伝子に傷をつけずに体内の免疫レベルを高めた状態で治療を終えるので治療後を考えれば優れた点が多いわけです。   ANK療法の医師が治療をお断りする場合、受ける場合、どちらとも言えない微妙な場合に試験培養をやってみる場合などありますが、ANK療法の細胞培養は通常で3週間、状況によって2~4週間の幅はありますが、急激に進行している状態だと面談して、リンパ球を採取して、培養して、点滴で戻し、週に2回のペースで数週間続けるという一連の流れを、病気の進行が待ってくれないこともあります。 そうなると強い抗がん剤でとりあえず症状を抑え込んでから次の治療を考える他なくなります。

 

白血病の場合は、あまりに種類が多いので、まずどういう性質なのかを調べて治療方針を立てていくことになります。

 

 

私のように絶体絶命と言われても生き延びる人がいますし、今、絶体絶命なのか、そうでもないのか詳しいことは何も知りませんが、無事に生き延びられることを心から望みます。

 

 

 

 

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