TOPANK免疫療法とは>治療実績ご紹介

さて、現段階で「何も治療を受けない方」との比較データを収集することが現実的ではありませんので、この度は「何も治療しなければ結果が容易に推測される」重篤な患者の方々の治療データを掲示させていただきます。ほとんどのがん患者さんにとって、ご自身とは全く状況が異なる患者の方々のデータとなりますことはご容赦ください。

肝がんの治療として、肝移植を受けられた15名の患者さんの治療成績

治療履歴の詳細は、松波総合病院・松波理事長より、学会などで報告されていますが、肝移植を受けられる人数はそもそも少なく、個人を特定できる可能性がありますので、概略のみ報告させていただきます。

(再発後にANK療法を1クール適用したケース)
9名中、2名は進行が止まる、もしくは寛解し予後良好
9名中、7名は、症状が進行、内、6名は死亡
* ANK療法実施時期は、移植手術後平均2年1ヶ月
(再発前にANK療法を1クール適用したケース)
6名中、3名は再発を認めず、予後良好
6名中、3名は再発、症状が進行、内、2名は死亡
* ANK療法実施時期は、移植手術後平均9ヶ月

臓器移植後は、拒絶反応を防止する目的で、免疫抑制剤が継続投与されます。従いまして、免疫が抑えられる体内では、がんの再発・転移の可能性が高く、また、再発・転移が発生する期間も概ね2年以内と、非常に短いという特徴があります。免疫抑制剤の使用により、免疫細胞療法の効果は減じると考えられますが、それでも上記のような治療結果となっております。

肝移植後の免疫細胞療法の実施は、国内の他の医療機関においても行われていますが、本症例は、国内では手術不能なため、海外で臓器移植を受けられた重篤な方も含まれる点で、状況が異なります。また、最も治療効率が高いと想定される移植手術後直後ではなく、数ヶ月~数年の時間を経た後にANK療法が実施されています。

ご参考までに、上記15名様のうち、再発後にANK療法を実施された患者さんで、学術誌「肝胆膵」2007年11月号に掲載されたケースをご紹介します。

学術誌「肝胆膵」2007年11月号に掲載されたケース

上記の通り、巨大な腫瘍塊が存在し、門脈浸潤を認め、更に、腫瘍組織が破裂し、周囲にがん細胞が飛び散っていると考えられます。余命は数ヶ月以下、手術不能なため、ご本人の意思により、海外で肝移植を受けられました。

ANK症例

2002年春に肝移植(図中OLT)を受けられ、その後、2年以内に合計5回転移が確認され、その都度、転移部位の切除手術(A~E)を受けられました。図中、①~⑦は化学療法ですが、いずれも再発を防止することはできませんでした。

2004年春にANK療法1クール実施後⑧、腫瘍マーカーがほぼゼロとなり、その後、再発の兆候なく、お元気です。ご本人のご希望により、念の為、2007年にもANK療法1クール⑪を受けておられますが、再発が確認された訳ではありません。

再発後、ANK療法を受けられた方9名中、7名において症状が進行した一方、この方のように、生還不可能と考えられる状況から回復され、今もお元気な方がいらっしゃるのは、単なる個人差かもしれませんが、この方のように手術直後、がん細胞の総数が最大限減少している時期にANK療法を実施するのが、最も効果的であることを示唆しているとも考えられます。