TOP>ANK療法の特徴

ANK 療法は、元々患者さんご本人の体内にある ナチュラルキラー(NK) 細胞を用いるものです。

NK細胞は、私たちの体内に存在する、がん免疫の主役です。活性が高ければ、正確にがん細胞を見分け、正常細胞は傷つけずに、がん細胞だけを狙い撃ちする能力を生まれながらに備えています。ところが、がん患者さんの体内では、このNK細胞の活動が強く抑制されています。そこで、NK細胞を、体の外に取り出し、活性化・増殖をさせ体内に戻します。点滴で体内に戻されたNK細胞が、直接、がんを攻撃します。更に、体内で大量のサイトカインを放出し、がん免疫を強く刺激することで、他のNK細胞などの活性化を促します。遺伝子操作など、予想不可能な変化をもたらす可能性のある細胞加工は、一切おこなっておりません。人工的なNK細胞を作り出しているのではなく、NK細胞本来の機能を回復・解放しているだけですので、遺伝子治療や1個の細胞から組織を作りあげる再生医療で行われるような「細胞の加工」とは次元が異なり、原理的に、より安全と考えられています。

また、免疫細胞療法は、科学的な根拠に基づき、米国政府の巨大プロジェクトとして始まったものです。使用する機材、資材、薬剤や、安全管理システムなども、十分な検証を経た上で、臨床展開されたものです。ANK療法は、1993年に基本型が完成し、小規模な臨床試験を経て、2001年に一般診療を開始しています。

NK細胞が、がん細胞を攻撃する能力を持つことは周知の事実です。

元々、がん細胞を攻撃する性質を生まれながらに持つNK細胞を、そのまま、がん治療に用いる、非常にシンプルでストレートな原理に基づくのがANK療法の根源的な特徴です。

他に、がん細胞を攻撃することが確認されているものに、CTLがあります。CTLはキラーT細胞を標的がん細胞と一緒に培養することで得られます。個々のCTLは、ごく一部の特定のがん細胞だけを攻撃しますが、CTLの場合は、どうやっても認識できないがん細胞も存在します。
*CTLは、MHCクラス I分子を持つがん細胞しか認識できません。一方、人体から採りだした野生型のNK細胞を適切に活性化した場合は、攻撃しないがん細胞は確認されていません。活性が低いNK細胞や、研究用に培養される特殊な選別を受けたNK細胞の場合は、MHCクラスI分子を持つがん細胞を攻撃しないケースが多く見られますが、これは人体内にいる野生型のNK細胞集団とは異なるものです。

なお、NK細胞とキラーT細胞の中間的な性質を持つNK-T細胞や、γ/δ T細胞も、がん細胞を攻撃することを確認されています。但し、体内に存在する数が少なく、また、NK細胞よりも格段に攻撃力が劣るため、がんを制圧する主役とは考えられていません。

それ以外の免疫療法は、NK細胞の培養が困難なため、もっと扱い易いものを探した結果、「こうすれば、がんを攻撃するようになるかもしれない」と、考え出されたものです。体内で、がん細胞を攻撃する主役ではない細胞や物質を用い、人為的に、がんを攻撃させようとして研究を重ねている段階です。実際に、がん細胞を攻撃するのかどうか、確認されていません。

免疫細胞療法は、どのようなものであっても、原則、安全と考えられるものです。

ANK療法の場合、点滴後、一過性の発熱など、免疫副反応を伴いますが、これは国内で実施される免疫細胞療法の中で、おそらくANK療法だけの特徴でしょう。強い免疫刺激の結果として、免疫副反応は、必ずといっていいほど発生するものです。発熱によって、がんを治療するのではありませんので、水分補給はもちろんのこと、リンパ節に冷たいものをあてるなどして、物理的に体を冷やすことで対応しますが、然るべき免疫副反応を伴うのは、それだけ、治療強度が強いことの現れです。

ANK療法の特徴は、以下のようにまとめられます。

  1. 元々、体内に存在する「腫瘍免疫(がん免疫)の主役」NK細胞を、そのまま、がん治療に用いる。
    がんの種類や部位、を原則、問いません。但し、脳内の腫瘍など、条件があることがあります。
  2. 治療強度の強さ
  3. 免疫刺激作用が強い
  4. 分子標的薬を使える患者さんの場合は、併用が期待できる
  5. ATLを含む白血病、B型/C型肝炎などのウイルス感染者も治療可能
  6. 合併症を伴わない上に、QOL改善効果が期待できる
  7. 仕事を続けながら治療を受けることも可能
  8. 何故、初めて遭遇する相手を認識できるのか