TOP分子標的薬とANK免疫細胞療法の併用>ANK免疫細胞療法と分子標的薬併用の治療設計(3)

次にANK療法単独治療のケースをシュミレーションしてみましょう。

ANK療法単独

このグラフは、1クール目の途中の段階までを表しています。つまり、培養細胞が直接、がん細胞を攻撃する効果のみが現れている段階です。ANK療法を継続することで、体内に眠る数百億個のNK細胞が目を覚ませば、一気にがん細胞を叩くことも可能ですが、いずれの場合も、ANK療法により、排除されるがん細胞の数と、増殖するがん細胞の数、どちらが上回るのか、「数の戦い」となります。がん細胞が優勢であれば、がんは増殖を続け、NK細胞が優勢となれば、急速にがん細胞の勢いは衰え、両者拮抗の場合もあります。

では、ANK療法を分子標的薬と併用すれば、どのような効果が期待できるのでしょうか。あくまでシミュレーション(計算上の話)としては以下のようになります。

ANK+分子標的薬

分子標的薬が、がん細胞の増殖を抑えている間に、ANK療法により、がん細胞の数を減らしていきます。がん細胞の勢いが強くても、ANK療法が叩いた数だけ、がん細胞が減れば、NK細胞の方が優勢になっていきます。

上の図は、イレッサのような低分子分子標的薬、つまり、がんの増殖を抑える効果は強いものの、NK細胞を刺激するADCC活性はないものを想定しています。
ADCC活性をもつ抗体医薬品の場合はどうなるでしょうか。
イレッサよりも、がんの増殖を抑える効果は弱いので、がん細胞の勢いの差による効果の現れ方の差は大きくなります。一方、ADCC活性により、NK細胞が優勢な場合は加速度的に更に優勢になります。

ANK+抗体医薬品

ここまで、グラフで示したものは、実際の臨床結果ではなく、あくまでシミュレーションに過ぎません。ANK療法、低分子分子標的薬、抗体医薬品、それぞれの特性と、治療設計の考え方について、ご理解をいただくために例示したものです。