TOP>ANK自己リンパ球免疫療法(ANK療法)とは

ANK療法は、培養により活性を高めたNK細胞が、直接、患者さん体内のがん細胞を攻撃する「第一段」の効果に加え、体内の免疫システム全体を強力に刺激する「第二段」の効果と、二段階の効果を狙うものです。

(第一段) 培養されたNK細胞は、体内で直接、がん細胞を攻撃します。

培養されたNK細胞が体内でがん細胞を攻撃する図

(第二段)培養されたNK細胞は、大量のサイトカインを放出し、体内で
免疫抑制により眠っていたNK細胞を活性化します。

培養されたNK細胞が大量のサイトカン(信号のようなもの)を出して体内で眠っていたNK細胞を活性化させる図

(第二段の更なる効果)

培養されたNK細胞が大量放出するサイトカインは、ヘルパーTh1も活性化し、結果的に、キラーT細胞も活性化すると考えられます。活性化されたキラーT細胞が、がん細胞と接触すると、がん細胞を攻撃するCTL細胞に変化することが期待されます。

Th1(ヘルパー)細胞がキラーT細胞に信号を出し活性化させがん細胞を攻撃するよう指示を出す図

ANK療法により培養されたNK細胞は、健常人のNK細胞の平均的な活性より遥かに活性が高くなります。(健常人のNK活性は、激しい個人差があり、標準値を定める定説はありません。あくまで、参考として、ある種の平均値を取って申し上げています)一度に、点滴で体内に戻されるNK細胞は、体内にいるNK細胞(健常人の場合で、数百億個と考えられていますが、正確に測定することはできません)に比べれば、ごく僅かです。それでも非常に強力な培養NK細胞が混じることで、抹消血液中の全NK細胞の平均の活性として、効率よくがん細胞を攻撃するレベルまで上昇します。ところが、患者さんの免疫抑制は非常に強いため、点滴後、数日以内に、NK活性は急激に下がり、殆ど、がんを攻撃しないレベルに戻ってしまいます。そこで、週二回、点滴を行うことにより、つまり、NK活性が下がってしまう前に次の点滴を行うことにより、体内のNK活性の平均値として、十分、がん細胞を攻撃できるレベルを維持します。週2回ずつ6週間連続、合計12回の点滴をもって1クールとしています。費用は、1クール当り、概ね400万円程度かかります。どの位、治療回数が必要かは、患者さん、お一人ひとり、状況が異なりますので、医師とご相談ください。手術後の再発防止ならば、1クール必要ない場合もありますし、末期進行がんで、標準治療を限界まで受けられ、免疫システムが相当の打撃を被っている方の場合、1クールでは、免疫系を最低限、回復させ、がんを本格的に攻撃するのは2クール目から、ということもあります。 免疫抑制を打破し、また、抑制状態に戻りかけ、また、打破し、というサイクルを繰り返すうち、NK活性が、一定以上の状態を保つようになります。ここまでくれば、つまり強い免疫抑制を打破し、免疫監視機構を再建すれば、治療を終え、経過観察となります。なお、NK活性の正確な測定は大変、難しいもので、各地の大学で行われている方法(Crリリース法など)は、簡易式に過ぎません。東洞院クリニックでは、研究レベルで正確なNK活性を測定することが可能ですが、大量の検査を実行することができません。通常の治療効果のモニタリングには、標準治療と同様に、画像診断、腫瘍マーカー、臨床所見などを複合的に用います。

患者さんの免疫力(ここでは、 NK 細胞が、がんを傷害する効率で表します)の推移を模式化したのが次の図です。

患者さんの免疫力の推移

青:免疫力 (NK細胞ががんを殺傷する能力)
緑:がん細胞の数